
落ち込むとなかなかいつも通りにはなれず、同僚や家族にまで心配されてしまい辛いです。
落ち着いたと思ったら寝る前に思い出したりして、また悩んでしまいます。
マインドフルネス関係の本を読んで”瞑想”などを行っていますが、その時は心が落ち着くのですが、仕事上において効果が実感できません。
瞑想の他に何かいい方法はないでしょうか?
今回は”瞑想”と合わせて行うと効果がある『セルフコンパッション』について解説します

こんな方におすすめ
- 自分自身が許せないときがある
- 同じ悩みをなんども思い出しては、胸が苦しくなる
- 一度落ち込むと、一日中引きずってしまう
- マインドフルネス”瞑想”の効果があまり実感できない
- 自信がない
- 他人と比較して、いつも落ち込んでしまう
目次
セルフコンパッションとは?
そもそもコンパッションってなに?
compassionを英和辞典で調べてみると「(切実な)同情(心)、思いやり」と出てきました。
今回の定義は
自己と他者の苦しみを感じそれを取り除こうとする深い関与のことをさします。
あらゆる人の幸せを願い
あらゆる人の苦しみがなくなり
あらゆる人の幸せを喜び
落ち着いた心の状態のことを”コンパッション”と呼びます。
なんだか宗教的な考え方だと思った方も多いのではないでしょうか?
もともとは仏教の考え方で”慈悲 慈愛”というものがあります。
「慈悲」は
楽しませる、苦しみをなくす
辛い所から手を差し伸べる、情けをかける
「慈愛」は
深い愛情
よくかわいがる、無条件に優しい
仏教における”慈悲 慈愛”考え方を西洋風に捉え直し、科学的に検証したものが
今回紹介する『セルフコンパッション』です。
セルフコンパッションの基本的な考え方
他人のために何かをしようとするのならば、まず自分自身が安全で、健康でなければ救うことはできない
他人の幸せを願い、苦しみを取り除こうとする考え方は、非常にすばらしいです。
けど自分自信が不幸で、苦しんでいる時に、こんな考えを持つことは難しいですよね。
そこで米国の心理学者クリスティーン・ネフ博士と英国の心理学者ポール・キルバート博士がコンパッションを他人だけでなく自分に向けることが必要だと考え、研究が始まりました。
セルフ(自分自身に)コンパッション(慈悲 慈愛)を持つことで幸福感が高くなり不安や恥、罪悪感などといった否定的感情を和らげることができます。
セルフコンパッションの3つの効果
・幸福感を高める
夫婦関係や仕事、人生の満足度が高くなり、他人と比較して落ち込むことが少なくなります。
・ストレスの減少
不安や、抑うつ、ストレスを和らげ、頭の中で自己否定的な考えを減少させます。
・レジリエンス(再起力)が高まる
初めてきく言葉だと思いますが、簡単に言えば困難なことがあっても、状況を跳ね返す力
嫌なことがあり落ち込んでしまっても、早く精神的ダメージを回復することができるようになります。
マインドフルネス(瞑想)と何が違うの?
1970年代に瞑想の科学的研究や普及活動が広まったマインドフルネス。
スティーブ・ジョブスやレディガガ、ビルゲイツなど多くの著名人がマインドフルネスを日常に取り入れていると公言しています。
私たちは、今この瞬間を生きているようでいて、実は過去や未来のことを考えて、「心ここにあらず」の状態が多くの時間を占めています。
特に、過去の失敗や未来の不安といったネガティブなことほど、考えを占める時間が長くなりがちです。
つまり、自分で不安やストレスを増幅させてしまっているのです。
こうした心ここにあらずの状態から抜けだし、心を"今"に向けた状態を「マインドフルネス」といいます。
- 背筋を伸ばして座る。目は軽く閉じるか、薄く開けて斜め前を見る。
- 息を吸ったときに、おなかや胸がふくらむのを感じ、心の中で「膨らみ、膨らみ」と実況する。呼吸はコントロールせず、そのとき一番したいように呼吸する。
- 息を吐いたときに、おなかや胸がちぢむのを感じ、心の中で「縮み、縮み」と実況する。
雑念が浮かんできた場合は、「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、「戻ります」と言って、再び呼吸に意識を戻します。
呼吸のめい想は、1日10分ほど行い、慣れてくれば時間をのばしても構いません。
マインドフルネスもセルフコンパッションと同じように仏教の考えを西洋風に捉え直し、科学的に検証したものである。
大きな違いは
・マインドフルネスは判断することなく、さまざまな感情を受け入れることに重点が置かれている。
・セルフコンパッションは自己の感情や思考を優しく受け入れ、他者との共通点を認識することが中心。
マインドフルネスとセルフコンパッションはお互いをおぎなうもので、どちらが重要というものではありません。
マインドフルネスの効果を高めたければセルフコンパッションが必要になり、セルフコンパッションの効果を高めるためにはマインドフルネスが必要となります。
マインドフルネスは「良い」「悪い」の判断をせず、さまざまな感情を受け入れることに重点を置くことと紹介しました。
しかしながら日常生活で「良い」「悪い」の判断を行うことが当たり前になっている現代では、瞑想中にも否定的な考えや感情が生じがちでなかなかうまく瞑想ができない経験はありませんか?
瞑想に集中しようとしても、
・失敗したこと
・嫌な上司の言葉
・将来の不安
・過去の後悔
など考えてはいけないと思えば、思うほど否定的な考えや感情が無限に出てきます。
そのためには普段の自分ではなく『セルフコンパッション』に溢れたもう一人の自分自身が、優しくていねいに自分の感覚に気づくように促します。
その自分が恐怖や怒りを感じている自分を観察すし、その感情や思考に優しく気づくことがマインドフルな状態なのです。
セルフコンパッションのやり方
では具体的なセルフコンパッションのやり方の解説をしてきます。
必ず静かで落ち着ける場所で行ってください。時間は10分程度で慣れてくればさらに時間を長くしても問題ありません。
おすすめは寝る前の時間で布団で横になりながら、
『私が安全でありますように』
『私が幸せでありますように』
『私が健康でありますよに』
『私の悩み苦しみがなくなりますように』
以上のフレーズを頭の中で繰り返してください。(言葉にしても問題ないですが、同居人がいるとだいぶ怪しいので私は頭の中で繰り返しています)
まずは自分の幸せを願うことで、優しい自分の良いところや、弱く情けない悪いところを受け入れられるようになります。
大したことないと切り捨てていた成果を素直に喜び、日常のなんでもないところにありがたさを感じ、大失敗をし後悔していたことにも経験を積んだことからの学びや、関係者への感謝などへのポジティブな面もあることに気がつきます。
繰り返していくと
「宗教みたいなこと考えて俺大丈夫か?」
「なんの意味があるの?」
「眠たい」「明日は朝早いんだよ」「嫌いなやつの幸せなぞしるか、むしろ不幸になれ」などの感情、思考が湧き上がってきます。
ここで出てきた感情や思考を否定することなく、まずはあるがまま受け止める。
優しく感謝の気持ちで、捉え直すことで対人関係やストレス耐性がつき人生の幸福度が上がることを多くの科学的検証で証明させています。
夜寝る前にする理由としては、多くの人が寝る前に不安や悩みを思い出すことが多いためです。
私自身も布団に入ると失敗したことや過去の後悔などを思い出しては、頭を抱えることが多いのですが『セルフコンパッション』を始めてからは、回数が激減しました。
逆にマインドフルネス(瞑想)は起きてからすることが多く、スッキリした頭で仕事に向かうことができるようになりました。
朝にはマインドフルネス(瞑想)、夜寝る前にはセルフコンパッションを組み合わせることで人生の質が大きく向上するようなります。
まとめ
・自分の失敗や後悔をありのまま受け止めて経験から学ぶ
・嫌いな人、恨んでいる人のポジティブな側面を見つけることで、他人にも優しくできるようになる
・怒りや悲しみといった感情を受けいれることで、感情に左右されなくなり、他人の感情も理解できるようになる
・メイントフルネス(瞑想)とセルフコンパッションを組み合わせることで、人間として一回り大きく成長することができます。
失敗や後悔を受け入れないままの人は、自信がなく自分の行動を改めることができません。
本当に自信のある人は、自分の失敗や後悔を受け止め他人に同じ失敗をしないように話すことができます。
人生の幸福度と本当の自信を手に入れるために、毎日のマインドフルネス(瞑想)と、セルフコンパッションをはじめてみてはいかがでしょうか?
研究によると7週間で人生満足度が増加し、ストレス耐性や様々な場面で優れたパフォーマンスを発揮することができたそうです。
最後に参考にさせていただいた本の紹介です。
ページ数も短く1時間もかからずサクッと読むことだできますので詳しい内容をさらに知りたい方はぜひ読んでみてください。